側湾症とは?

皆さんは『側湾症』という言葉を聞いたことはありますか?

普段あまり聞きなじみがない方もいらっしゃると思います。

しかし意外にも子どもの中で100人に1~2人が持っているという決して珍しい症状ではありません。

ではその『側湾症』とは一体どのような病態なのか、詳しく説明させていただきます。

《側湾症の病態》

側湾症(そくわんしょう)とは、

別名、脊柱側湾症(せきちゅうそくわんしょう)とも呼ばれ、脊椎(せきつい)という背中の骨が側方へ湾曲(わんきょく)してしまう症状を特徴とする疾患です。本来であれば背骨は正面から見るとまっすぐな状態ですが、側湾症では背骨がまっすぐではなく、左右に湾曲し、S字型やC字型に曲がってしまうことにより様々な症状や違和感が出現します。

下のイラストを見てください。

このイラストではどちらに側湾しているか分かりますか?

 

答えは右です。

このように脊柱(背中の骨)が左右に曲がってしまうことで身体も同じように湾曲してしまうのです。

比較してみるとよく分かりますね。

また、出現する時期や原因によって別の名前が付けられています。

《側湾症の種類》

脊柱側湾症には『特発性側湾症』と『症候性側湾症』があります。

『特発性側湾症とは』

特発性側湾症は他の疾患や病状によるものではなく自発的な背骨の湾曲を特徴としています。主に成長期の子どもや思春期の若者に見られますが、成人でも発症することがあります。特に思春期、すなわち第2次成長期(10〜15歳)の女の子に好発し、男の子の5〜8倍発症しやすいとされています。

特発性側湾症は成長期が終わるとともに症状の進行も基本的に終了します

原因は明確にはわかっていませんが、背骨の成長が軟部組織(筋肉や靭帯など)の成長より相対的に早いためではないかなどの諸説があります。

 

『症候性側彎症とは』

症候性側湾症(しょうこうせいそくわんしょう)は、他の疾患や病状によって引き起こされる側湾症のことを指します。通常の側湾症とは異なり、症候性側湾症は他の原因(神経・筋疾患、筋肉の異常、神経系の障害、先天性の病態、外傷、腫瘍、感染症など)によって背骨が湾曲する状態を指します。

側湾症の中で最も多く占めているのが特発性側湾症です。

全体の約80%前後の割合を占めています。

 

では上のイラストのように脊柱が曲がり、側湾してしまうことで身体にどのような影響を与えるのでしょうか?

《側湾症による影響》

側湾症の症状には、背中の歪みや傾き、肩の高さの違い、骨盤の傾きなどの身体のバランスが悪くなるとこでの外見上の異常、変形が大きい場合に神経を圧迫して起こる神経症状、肺活量の減少や息切れを感じる呼吸器症状、背中や腰の痛みなどがあります。

特に側湾症の方は左右どちらかの背中から腰の筋肉が張りやすく痛みや違和感を感じやすいです。

側湾症の治療方法は、症状の重さや進行度によって異なります。一般的な治療法には以下のようなものがあります。

1. 監視と経過観察: 軽度の側湾症であれば、定期的な診察と姿勢の監視が行われることがあります。

2. 矯正具の使用: 中程度から重度の側湾症では、矯正具を使用することがあります。これは曲がった背骨をサポートし、進行を抑制するために使われます。

3. 物理療法: 物理療法やエクササイズを行うことで、筋力や柔軟性を改善することができます。これは姿勢の改善や痛みの軽減に役立ちます。

4. 手術: 重度で進行性の側湾症では、手術が考慮されることがあります。手術の目的は、背骨の曲がりを矯正し、安定させることです。

側湾症は早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。定期的な健康診断や姿勢のチェックなどをする事が重要です。

つかもと本通整体院・鍼灸院・接骨院