腰部脊柱管狭窄症について

今回は腰部脊柱管狭窄症という一つの症状について触れていこうと思います。

 

そもそも、『腰部脊柱管狭窄症』といった言葉を聞いたことはありますか?

ご自身が腰痛に苦しんでいる方や足にしびれを感じた方であればネットで調べた際に目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

しかし、腰部脊柱管狭窄症自体に腰痛の症状が現れることはありません。

では、『腰部脊柱管狭窄症』とは身体にどのような変化があり、どうなってしまうことでどのような症状が現れるのか。

まずはそれを紐解いてきたいと思います。

 

腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管と呼ばれる腰椎部の神経の通り道で神経が圧迫される疾患です。

脊柱管が狭くなると神経が圧迫され、下肢の痛みやしびれ感、麻痺(脱力) が発生します。時には股間のほてり、排尿後にまだ尿が完全に出しきれない感じ(残尿感)、便秘などの症状が発生することもあります。これらの症状は主に立つ・歩くことにより悪化し、さらに長距離を続けて歩く際も長時間歩き続けることが出来ず、少し歩くと足に気だるさを感じ、座って休んでいると楽になり、また歩けるようになるという特徴的な歩き方を繰り返すようになります。

この少し歩いて・少し休むと歩けるようになる状態を繰り返し続けながら歩くことを

間欠性跛行(かんけつせいはこう)

と呼び、腰部脊柱管狭窄症に特有な症状です。

症状が軽い間に違和感を感じつつも治療を行わず放置してしまい、長期間に及び症状が継続すると下肢の運動機能が低下してしまい、『ロコモティブシンドローム』になることがあります。

《※(略称 ロコモ:運動器症候群)は、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えてくることで、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態を表す言葉です。》

腰部脊柱管狭窄症では、腰を反らす動作を避けることが推奨されます。それは何故かと言うと腰を反ると、狭くなっている脊柱管がさらに狭くなってしまい、脊柱管を通っている神経を圧迫する力が強く加わり、症状を悪化させてしまう可能性があります。

腰が痛い原因として良く挙げられるのが、《姿勢が良くないから》ということです。ですが、先程お伝えしたように『腰部脊柱管狭窄症』=『腰痛』ではありません。だから腰痛になったから腰部脊柱管狭窄症かもしれないと思い姿勢を正そうとすることは正解だとは言えません。

さらに「良い姿勢でいなければ…」と無理に背筋を伸ばしたり、背筋を鍛えたり、うつ伏せで腰を上から押さえてもらったりと身体を反らしてしまうような動きを繰り返したりすることは、先程お伝えした通り症状の悪化の可能性があるのであまりお勧めできません。また、筋力が落ちるからと症状を我慢しながらの無理なウォーキングをしたりするのも避けた方が良いでしょう。

ここまでで一番お伝えしたかったことは、腰部脊柱管狭窄症の症状が悪化すること(神経を圧迫する腰を反るような動き)は避けるのが原則だということです。

何故かと言うと脊柱管を通る神経を圧迫した状態が長ければ長い程、神経は圧迫された状態を記憶してしまいます。

神経が圧迫されていた期間の状態を身体が記憶してしまっているので、圧迫されていない状態になっても少しの期間は症状は出続けます。

しかし次第に症状の波が少しずつ緩やかになって軽減していきます

その為、神経症状が出始めてから期間が長ければ長いほど症状が完治するまで時間がかかってしまいます。

症状が出てる間に痺れの症状があるからといって、運動を【全く】しないとなると筋力低下などが進行してしまいます。

腰部脊柱管狭窄症になっていてもそれ以外の症状、例えば運動後に起こる筋肉痛などはあまり怖がる必要はありません

脊柱管狭窄症になっている時でも無理のない程度の適度な運動を行い、安静にし過ぎないこともロコモティブシンドロームにならないために重要です。

脊柱管狭窄症について詳しくはこちら

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