こんにちは、つかもと本通整体院・鍼灸院 院長の酒井です。
肩の痛みや違和感を訴える方の中に、「五十肩だと思っていたけど、なかなか治らない」「腕が途中までしか上がらない」といったお悩みを抱えて来院される方が多くいらっしゃいます。そういった症状の背景には、「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と呼ばれる筋肉・腱の問題が隠れていることが少なくありません。
今回はこの「ローテーターカフ」について、そしてそこから起こりうる「腱板断裂」について詳しくお話ししていきます。
ローテーターカフってなに?
ローテーターカフ(Rotator Cuff)は、日本語では「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」と呼ばれます。肩の深部にあり、肩関節の安定性を保ちつつ、腕を上げたり回したりする動作をスムーズに行うために重要な筋肉群です。
具体的には、以下の4つの筋肉から構成されています:
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棘上筋(きょくじょうきん):腕を横に上げるときに使う
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棘下筋(きょっかきん):腕を外側に回す
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小円筋(しょうえんきん):棘下筋と一緒に働いて腕を外旋
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肩甲下筋(けんこうかきん):腕を内側に回す動作に関与
これらの筋肉の腱が「腱板(けんばん)」と呼ばれ、肩の骨に付着しています。つまり、ローテーターカフとは「肩の動き」と「肩の安定性」の両方を担っている縁の下の力持ちなのです。
ローテーターカフの不調が招くトラブル
このローテーターカフは日常の何気ない動作(洗濯物を干す、髪を結ぶ、高い所の物を取るなど)でも頻繁に使われています。しかし、加齢や姿勢の乱れ、繰り返しの動作、スポーツや仕事による酷使などによって、腱に負担がかかりやすくなります。
すると、次のような症状が現れてきます:
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肩に鈍い痛みがある
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腕を上げると痛みが出る
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夜寝ていると肩が痛くて目が覚める(夜間痛)
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腕が重く感じる
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肩の可動域が狭くなる
これらを放置してしまうと、筋肉や腱に炎症が起きたり、ひどい場合は腱そのものが切れてしまう「腱板断裂(けんばんだんれつ)」に発展してしまいます。
腱板断裂とは?ローテーターカフとの関係
腱板断裂とは、先述の4つの筋肉の腱のどこかが切れてしまった状態を指します。特に多いのが「棘上筋」の断裂で、腕を真横に上げる動作が困難になります。
断裂には、以下の2つの原因があります:
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加齢性変性(40代以降の自然なすり減りによる断裂)
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外傷性断裂(転倒やスポーツによる急な外力)
ローテーターカフの腱がすでに弱くなっていると、ちょっとした動作や負荷でも簡単に断裂してしまうことがあります。そして、一度断裂してしまうと自然に元通りくっつくことはほとんどなく、日常生活に大きな支障が出ます。
当院での対応と施術方針
当院では、ローテーターカフに関する症状の評価を行い、肩の状態を丁寧に確認したうえで施術を進めていきます。
腱板断裂が疑われる場合は、整形外科でのMRI検査をおすすめすることもありますが、軽度の断裂や炎症、機能低下であれば、鍼灸や手技療法を組み合わせることで痛みの緩和と機能回復が可能です。
特に鍼灸では、ローテーターカフ周辺の深層筋へのアプローチができ、血流改善や炎症の鎮静に効果が期待できます。また、姿勢の歪みや肩甲骨の動きの調整を通じて、再発しにくい身体作りを目指します。
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