こんにちは、つかもと本通整体院・鍼灸院 院長の酒井です。
今回は、東洋医学における「脾(ひ)」の役割についてお話しします。
「脾」と聞くと、西洋医学では免疫や造血に関わる臓器の脾臓を思い浮かべるかもしれません。しかし、東洋医学でいう「脾」は、それだけにとどまらず、消化吸収や体のエネルギー生成、さらには精神状態にも深く関わる、とても重要な存在です。
東洋医学での脾の役割
1. 飲食物を「気血」に変える
脾は、飲食物から得られる栄養を消化吸収し、体を動かすエネルギーである「気」や、血液の材料となる「血(けつ)」を作り出す働きを担います。これを「運化(うんか)」といいます。
脾が元気であれば、食べたものがしっかりとエネルギーに変わり、疲れにくくなります。逆に脾が弱ると、食欲不振や消化不良、倦怠感、顔色の悪さなどが現れます。
2. 「血」を内側に留める
脾には、血が血管から漏れ出ないようにする働きがあります。脾が弱ると、鼻血や皮下出血、歯ぐきからの出血などが起こりやすくなります。女性の場合は月経過多の原因にもなります。
3. 水分代謝の管理
脾は体内の水分の流れをコントロールします。脾が弱ると余分な水分が体内に滞り、むくみや下痢、痰の多さなどを引き起こします。特に湿気の多い梅雨時期や、冷たいものの摂りすぎは脾の働きを低下させやすいです。
4. 思考・集中力との関係
東洋医学では、脾は「思(し)」と関わりが深く、過度な思考や心配事は脾を消耗させるとされます。受験勉強やデスクワークで頭を使いすぎると食欲が落ちるのも、この関係によるものです。
脾の不調で現れやすい症状
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食欲不振・胃もたれ
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下痢や軟便
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むくみ
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倦怠感・疲れやすさ
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出血しやすい
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集中力低下・考えすぎ
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舌の色が淡く、歯形がつく
これらは単発で出ることもあれば、複数同時に現れることもあります。特に慢性的な疲労感や消化不良が続く方は、脾の弱りが隠れている場合があります。
脾を元気にする生活習慣
1. 冷たい飲食を控える
脾は冷えに弱く、冷たいものを摂りすぎると消化機能が落ちます。常温か温かいものを中心にしましょう。
2. 規則正しい食生活
脾はリズムを好みます。食事の時間が不規則になると脾が疲れやすくなります。
3. 湿気対策
梅雨や夏場は湿気が体内にも溜まりやすく、脾を弱らせます。除湿や通気を心がけ、湿気を飛ばす食材(はと麦、とうもろこし、小豆など)を取り入れると良いです。
4. 適度な運動
軽い運動は脾の運化を助けます。特にウォーキングやストレッチなど、全身をバランスよく動かす運動がおすすめです。
5. 考えすぎない
心配事や考えすぎは脾を消耗させます。意識的にリラックスする時間を持ちましょう。
鍼灸・整体での脾のケア
当院の鍼灸や整体では、脾の経絡(ツボの流れ)を整え、消化吸収力や水分代謝を高める施術を行います。脾の働きが整うと、体力や集中力が回復し、むくみや胃腸の不調も改善しやすくなります。
まとめ
東洋医学でいう「脾」は、消化吸収・血の保持・水分代謝・精神活動など、健康の土台を支える臓です。脾の不調は全身のだるさや胃腸の不調、むくみなど日常生活に直結する症状として現れます。
なんとなく疲れが抜けない、食欲がない、むくみやすい…そんなときは脾のサインかもしれません。放置せず、早めにケアしていきましょう。
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