自律神経とお腹の深い関係

こんにちは、つかもと本通整体院・鍼灸院 院長の酒井です。

今回は「自律神経とお腹の深い関係」についてお話しします。

最近、当院に来られる方の中で、「胃が重い」「便秘や下痢が続く」
「お腹が張って苦しい」「腸が動いていない気がする」といった“お腹の不調”を訴える方が増えています。
そして多くの場合、こうしたお腹のトラブルの背景には“自律神経の乱れ”が関わっています。

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■ 自律神経と腸はセットで働いている

自律神経には、交感神経(活動・緊張)と副交感神経(休息・回復)の2種類があり、
この2つがバランスよく働くことで、体内の機能がスムーズに保たれています。

腸をはじめとした内臓の働きは、副交感神経が優位になったときに最も活性化します。
つまり「リラックスしている状態」でないと、腸は本来の力を発揮できません。

しかし、現代社会では常にストレスを抱えながら生活している人が多く、交感神経が優位になりがちです。
その結果、腸の働きが抑制され、便秘や腹部膨満感、過敏性腸症候群などの症状が出やすくなってしまうのです。

また、腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど神経ネットワークが豊富で、
脳と腸は迷走神経を通じて密接にコミュニケーションしています。
これは、腸の不調がメンタルに影響したり、逆にストレスが腸の動きを止めてしまうという双方向の関係性を意味します。

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■ 東洋医学では“脾”と“胃”がカギ

東洋医学では、お腹の不調は「脾(ひ)」と「胃(い)」の働きと関係すると考えます。
脾は“消化吸収”を司り、心や精神状態とも密接に関わる臓腑です。
ストレスや心配事が多いと脾の働きが低下し、食欲不振・お腹の張り・下痢・倦怠感などが現れます。

また「思い悩みすぎると脾を傷める」と古くから言われており、
実際に悩みが多い人ほどお腹にガスがたまりやすかったり、便秘と下痢を繰り返していたりします。

鍼灸では、脾や胃の経絡(ツボの通り道)や、腹部そのものへの施術によって自律神経のバランスを整え、
内臓の働きを高めるアプローチを行います。

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■ お腹のマッサージが“脳と腸”をゆるめる

当院では、自律神経の乱れによって起こるお腹の不調に対し、
「腹部へのやさしいマッサージ(腸もみ)」を取り入れています。
これは、腹直筋や腹斜筋などの表層の緊張を和らげ、深部の腸や血管、リンパの流れを整える目的で行います。

驚かれるかもしれませんが、お腹には“緊張が蓄積する”という性質があります。
ストレスを感じているとき、人は無意識にお腹に力を入れ、固めてしまうのです。
その状態が長引くと、腸の蠕動運動が低下し、血流も滞り、慢性的なお腹の不調が続いてしまいます。

お腹にやさしく触れ、ゆるめていくことで、副交感神経が刺激され、全身がリラックスしはじめます。
施術中に「お腹が鳴りはじめた」「呼吸が深くなった」「手足が温まってきた」といった反応が出ることも少なくありません。

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■ 体と心、両方に働きかけるアプローチを

自律神経の乱れを整えるには、“自分をリラックスさせる時間”がとても大切です。
でも、頭では分かっていてもなかなかそれができない…という方も多いですよね。

そんな時は、自分の意思とは関係なくリラックススイッチが入る「お腹からのアプローチ」を試してみてください。
体にやさしく触れることで、緊張がほどけ、気持ちまで自然とゆるんでくる。それが、お腹をゆるめる施術の最大の魅力です。

「なんとなく不調が続いている」「いつもお腹が重たい」「病院では異常なしと言われた」
そんな方は、自律神経と腸の関係を意識してみてください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

つかもと本通整体院・鍼灸院・接骨院